こんにちは、言語聴覚士西田幸平です。
今回はスペクトラムという考え方についてお話したいと思います。
スペクトラムという意味を調べると難しい言葉(「連続体」という言葉)が出てきますが、
私は虹のグラデーションのイメージをしています。
自閉症スペクトラムという名前にも使われていますが、
大切な考え方として虹のグラデーションの中には誰もがいるという考えがあります。
自閉症という人付き合いが難しい問題を程度はいろいろだとしてもだれもが持っているとも言い換えられますし、
人付き合いが完璧にできる人はいないと私は思っています。
では、その虹の中にいる人が例えばあまり人付き合いが難しくない
(うまく付き合う方法を沢山知っている)方がいるとして
その方がいる環境がとても良ければ問題はあまり生まれないでしょう。
でも、人付き合いがうまい人でも本人の嫌なことが沢山あったり理解者が少なければ生活に障害(困りごと)がないとは言い切れないのです。
逆に人付き合いは苦手でも周りに肯定的な家族、理解してくれる友達、アドバイザーなど様々な人がいて
満足した生活がおくれているならば生活の障害(困りごと)は限りなく少ないと言えるのではないかと思います。
このように誰が誰とどんな場所にいるのかで自閉症による生活の困りごとは大きく異なります。
スペクトラムという考え方は、
自閉症と診断されたその人に問題があるというとらえ方だけではありません。
逆に周り(社会)にどれだけ理解者がいるかによって生活が大きく変わるものです。
最後に人付き合いが難しいお子さんの療育で大切になってくるのは
助けを求めることができ、
周りに理解をしてくれる人を作り、
協力してくれる人との力でできることを沢山経験することではないかと思っています。