言語聴覚士のブログ

5領域支援プログラムについて

5領域支援プログラムについて
①健康・生活
②運動・感覚
③認知・行動
④言語・コミュニケーション
⑤人間関係・社会性

健康・生活
睡眠、食事、排せつの聞き取り、評価を行います
健康や生活を支えるものとして運動やコミュニケーション面での充実を図る事や意思疎通し、生活での要求を自分のタイミングで伝えられるように支援します。

運動・感覚
運動
姿勢の安定、つまずきがないか、特徴的な運動発達がないか評価します。
運動発達が生活に困り事や悪い影響を与えていないか、運動を楽しめているのか、怖がりすぎていないか評価しながら支援します。

感覚
視覚、聴覚、触覚、揺れ感覚、力の入れ具合の感覚、味覚(口の中の感覚)
の感覚特性の評価していきます。
感覚特性は医学的にはご本人の努力や無理に慣れさせることでは改善せず周囲のサポートを得る事が重要です。
周囲の理解を得ながらイヤーマフなど有用なアイテムを探していきます。
感覚特性による生活への影響
・・・ブランコで普通よりかなり長く何回も揺れ刺激を入れないと満足できない。
生活での嫌いな音や服のちくちく感などの我慢が難しく生活が制限される。
(とても不快で耐えられないけれども周りから理解が得られにくい)
力の入れ具合の感覚が鈍感だと力加減を言葉で説明しても理解が難しく、
強くたたいてよくケンカになるけれども悪気はない事があります。
力の入れ具合の感じ方の違いが人間関係にも影響します。

認知・行動
認知
(幅広い意味の能力で周囲から情報を得て考えたり覚えて行動する力)
知覚(判断理解する力)・言語能力・記憶・考える力・空間認知・時間認知・イメージ力・計算・数字・時間概念・大小・色など
生活のための思考する力を育むことや
認知特性(言葉での指示が入りにくく、目で見ると理解に結び付きやすい=視覚優位など)に応じた支援を行います。
行動
どういった反応、行動を強化していくのか考えます。
正しい良い反応、行動に導き
本人の負担なく問題行動を減らす方法
・・・ABA行動療法
言葉での理解が難しいお子さん、切り換えが難しいお子さん、感情コントロールが難しいお子さんに、
増やしたい行動の後に支援者が褒めるなど適切に反応する。
望ましくない行動時に支援者は言葉などであまり刺激を与えず反応しない。
増やしたい行動のきっかけを環境に沢山増やす。
望ましくない行動の原因を環境から取り除く。
あるいは、クールダウンを促すことで本人に負担なく良い行動を増やし悪い行動を減らす
・・・TEACCHプログラム
(カード・ジェスチャー・サインなど視覚支援、パーテーションや個室を利用した場所の意味付け)
目的
切り換えや見通しを立てる工夫をする
・・・見通しを立てて上手く時間を使う事や時間を決めて約束して切り替える力を伸ばす
カードの視覚支援でわかりやすく伝えていきます

言語・コミュニケーション
(音声を含んだ幅広い意思疎通)
コミュニケーション面をうまく伸ばす方法・読み書き支援・言葉の代わりになるものを保護者の方と一緒に探します
お子さんの理解面・表出面(お話する力)に合わせた支援をします。
スタッフはお子さんの伝えてみようという気持ちを育むインリアルアプローチを行います。

人間関係・社会性
社会性の評価や、
遊び方の評価を行いそのお子さんに合った遊びを提案したり、お子さんがやりたいと思った遊びを広げていきます。

お子さんの遊びの発達の段階

・一人遊びから複数人の遊びへ
一人遊び
→隣に友だちがいても遊べる
→別々の遊びだけれども友だちとコミュニケーションをとろうとする
(他者興味を深める段階、友達のおもちゃと自分のおもちゃの区別ができる)
→お友達ともののやり取りができる
(お友達のおもちゃは自分の大切なおもちゃと同じくらい相手にとって大事だと気付けている)
→同じ遊びをしようと提案したり、ルールを決めることができる
(他のお友達の気持ちや興味を理解し、自分の遊びに興味のある友達を誘う)

・遊ぶ内容の変化
感覚運動遊び
→見立て遊び・ごっこ遊び
→みんな遊び・人間関係の中での遊びへ
感覚運動遊び・・・体を動かし揺れ、回転刺激でリラックスしたり、体の筋肉の使い方を学習してきます。
感覚運動遊びは感情や言葉の発達とも関係します。
見立て遊び・ごっこ遊び・・・車のオモチャを走らせる・おままごと・折り紙などイメージを友だちと再現する力

支援者が肯定的に接したり、具体的にほめる、お子さんのレベルに合わせた遊びを提供する中でお子さんは人間関係・信頼関係を築く練習をしていきます
支援中だけでなく、実際の生活での人間関係の困り事も視野に入れて支援します。

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