ご無沙汰しております。
言語聴覚士 西田幸平です。
しばらく、ブログをお休みしておりましたが、再開します。
前回までことばには伝える気持ちが大切であるとお話ししました。
確かに、伝える気持ちはことばの発達においてとても大切ですが、
お子さんも話したいのに話せないというパターンがあると思います。
そういう場合、伝えたい内容が伝わらずお子さん自身がストレスを感じてしまう、
伝わらない感情が行動として表れてしまうことがあると思います。
ですが、ことばがなくても8割9割がジェスチャーやスマートフォンを使ってのイラスト、
写真の指差しでの代用などで伝わるものです。
確かにことばの代わりになる手段を私たち人間はすごくたくさん持っていますね。
ジェスチャー、携帯の写真や地図、お店のロゴ・マーク、緊急時の警報音、クイズ番組の回答ボタンなど…
(これらの利点は瞬時に誰でもよくわかって別のものと勘違いしないという点です。)
もちろん、お子さんの発達でことばを促すことはとても大切ですが
伝えたい内容があるけれども伝えることがまだ難しいお子さんにとっては
便利な(ことばの代わりの)コミュニケーション手段を見つけてあげるだけで
(下の3枚の感情の写真の指差しなど…)
お子さんも今の気持ちを伝えられたり、お子さんの状態を保護者の方が把握しやすくなり
お子さんの感情を自己コントロールするために望ましい状況を生み出しやすくなると思います。
まずはお子さん自身が感情などが伝わっているという経験をすることで
伝えようとしても伝わらないという先入観を持っている状況が
リラックスして相手に伝えやすい状況になるかと思います。
「話せなくても伝わるんだ」という安心感が、
逆に周りの物事を注意深く見る力に結び付いたり、
それがことばのきっかけになるかもしれないと私は思います。
そこからお子さんの伝えたい内容をより具体的にしていく支援が必要となりますが、
別の機会に話させていただきます。
追記…
このような3枚の中からお子さんが今の感情を指さして、
それに応じた対応を取ってあげるだけでも
自分が伝えたからそれにちゃんと応じてもらえた!!
と自分から伝えてちゃんと伝わることの快感・達成感が育まれると思います。